野球の起源って何? いつ日本に伝わったの?
2016/04/04
第88回選抜高等学校野球大会も終わり4月に入ってしまいました.
1年の間に野球が話題に上がる時期は比較的限られている気がするので,今回はこのボールをバットで打つスポーツの起源,そして日本にいつごろ入ってきたのかを雑学していこうと思います!
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野球の起源
野球は非常に歴史が古いスポーツです.しかし,初期のものは現在のものとはずいぶんルールが異なっていたようですよ.
あらゆる球技の起源は12世紀までさかのぼる!?
現在のサッカーや野球といった球技は,「ボールを使うこと」以外の共通点がありません.
しかし,実はこれらのルーツはすべて同じスポーツにあります.
12世紀(1100年代),フランスで「ラ・シュール」というスポーツが生まれました.この「ラ・シュール」こそがあらゆる球技の起源だと言われているのです.
ラ・シュールは2チームに分かれ,足・手・その他道具を用いて敵陣の2本の杭の間にボールを通すゲームだったようです.(サッカーの「何でもアリ版」のようなルールですね.)
これは主に貴族の間で遊ばれていたスポーツでした.
やがてこのスポーツは,イギリスへと渡り様々な形態へと変化します.
球を棒で打つスポーツへの変化
イギリスにわたった「ラ・シュール」は徐々に変化して行きます.
14世紀,イギリスで「ストールボール」というスポーツが生まれます.これは「ラ・シュール」の変化系の一つで,一人がボールを的に向かって投げ,もう一人が素手でボールが的をディフェンスするというものでした.
(ストールボールは,ミルク絞りの女性たちが,農場仕事をしている夫を待つ間に楽しんだとされています.)
このストールボールが「2チームに分かれて攻守を競う,ボール投擲型のスポーツ」の起源であるとされています.
時代はさらに下り18世紀,靴下に小石などを詰めたボールを船のオールで打つ「ラウンダーズ」というスポーツが生まれます.
(現在もラウンダーズと呼ばれるスポーツは存続しており,硬い革製のボールをバットで打つスポーツとなっています.)
同時期に先述の「ストールボール」を指す用語として「ベースボール」という単語が使われた書籍が出版されました.意味こそ違うものの「ベースボール」という単語が生まれたのです.
アメリカにわたり現在の「野球」が生まれる
やがてラウンダーズやストールボールといった球技はアメリカにわたりますが,この段階ではまだ固定ルールがなく,プレイする時と場合によってルールはまちまちでした.
しかし,1840年代,アメリカの消防団員アレクサンダー・カートライトによって初めて統一的な球技のルールが作られ状況は変わります.
カートライトは,消防団員の結束力を高め,運動不足を解消するために「タウンボール」と呼ばれる球技を団員で行うことを提案します.(タウンボールはラウンダーズの一種です)
しかし,統一的なルールがない球技は,プレイするたびにルールの決定などをせねばならずとても煩わしいので,現在の野球とほぼ同じルールを定め,「タウンボール」をプレイするようになったのです.
このカートライトの定めたルールは瞬く間に広まり,やがて公式ルールとして設定されるようになります.
野球が日本に渡った歴史
野球のルールが定められてから30年以内のうちに,野球は日本へと伝わりました.
その伝来は,アメリカ人英語教師 ホーレス・ウィルソンによるものであると言われています.
ウィルソンは,1871年,現在の東京大学で英語を教えており,生徒に野球を伝えたとされています.
ウィルソンの伝えた野球は,「打球鬼ごっこ」という名前で全国的に流行し,瞬く間に日本全国に広まりました.
これが野球が日本に伝わった歴史であるとされています.
最後に
スポーツ嫌いな人でも一度はやらされたことが多い野球.
しかしそんな野球も起源は非常に古く1000年近い歴史があると思うと,すごいですね.
そして1000年近い歴史がありながらも,野球のルール自体は定まってからまだ200年とたっていないのです.
やはり物事が流行するには,それが人々に広く受け入れられなければならないということでしょうかね.