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本当は恐ろしい「ノルマ」の語源 ~ もともと何語なの?

      2016/04/07


よく学校の先生や職場の上司が使う「お前のノルマ」という言葉.現在の日本では「達成すべき仕事量」のような意味で用いられています.

ところでこの「ノルマ」という言葉,もともと何語だったと思いますか?

なんと,もともとはロシア語だったのです.英語やドイツ語から入ってきた言葉は比較的多い日本語ですが,ロシア語由来の言葉は比較的少ないように思います.

そこで,今回はロシア語における「ノルマ」の意味と,その言葉が日本語に入ってきた経緯を詳しく解説しようと思います!

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ロシア語の「ノルマ」の意味

「ノルマ」はロシア語ではНормаと書き,「規範,規定量」という意味を表します.

しかし,実際のところは「強制的な目標量」のような意味合いが強い気がします.

日本ではなぜこのような意味で用いられるのでしょうか?

 

「ノルマ」が日本で使われるようになった理由

「ノルマ」が日本で「強制労働」の意味で用いられるようになった理由は,「ノルマ」という言葉が日本に入ってきた経緯によるものが大きいとされています.

時代をさかのぼり,「ノルマ」という言葉と日本人が接触したいきさつから見ていきましょう

時代は第二次世界大戦

第二次世界大戦は1939年から1945年まで,日本・ドイツ・イタリアを中心とする枢軸国と,アメリカ・イギリス・ソ連を中心とする連合国陣営との間で行われた大戦争です.

(ソ連はソビエト連邦の略であり,今のロシアがあるあたりにかつて存在した国家です.ごく簡単に説明しますと,ソ連が解体してロシア,ウクライナ,カザフスタンなどの15個の国家に分裂しました.)

ドイツ・イタリアは1944年の連合軍によるノルマンディー上陸作戦成功を受けて,東からはロシア,西からはアメリカ・イギリス・自由フランス軍(亡命フランス人が組織した軍)の攻撃を,占領地域下ではポーランド国内軍を中心とした大規模レジスタンスの攻撃を受けることになります.

結果,ドイツ軍は急速に追いつめられていき,1945年5月に降伏します.

 

一方の日本は,中国・アメリカ・イギリスと戦うことを予定していたため,「南北から挟み撃ちにされたらまずい」ということで,北にあるソビエト連邦とは1941年「日ソ中立条約」を締結し,互いに戦争はしないようにする取り決めを行いました.(この条約は効力が5年となっており,4年以内にどちらかが「破棄」を通告した場合は,6年目以降は戦争が可能になるものでした.)

緒戦は極めて優勢を誇り一気に中国・南方進出を図りましたが,日本の生産能力に見合わないほど戦争区域を広げてしまったため,前線の兵士への「補給」が出来なくなり徐々に消耗してゆきます.

そんな中,アメリカ・イギリス・ソ連はかの有名な「ヤルタ会談」で「ソ連は,千島列島・樺太をもらう代わりに日本と戦争する」という密約を結びます.そして,1945年4月5日,ソ連は「日ソ中立条約」の破棄を日本に通告します.

しかし,先述の通り破棄を通告したところで,条約の効力は5年となっているため,1945年の間は戦争が出来ない取り決めのはずです.そこで,日本は「ソ連は攻めてこない」と条約に則った判断をし,特に準備をしませんでした.

しかし,条約を無視してソ連は日本の領土へと侵攻を開始し,アメリカは同時期に原爆を2発も落としたため,日本はポツダム宣言を全面的に受け入れ,降伏します.

旧ソ連の犯罪行為

日本は降伏したので,ソ連が攻めてきていた地域に残留していた日本兵はソ連の捕虜となりました.

一般には戦争が終わった後は,捕虜となった将兵はそのまま国へ帰し復員することになります.

しかし,ソ連は占領地域にいた日本人(民間人)と,捕虜とした日本兵をシベリアなどを含む,労働が困難な地域へと強制連行し,強制労働を行わせたのです.

シベリア抑留のはじまり

シベリアへ拉致された日本兵や民間人の処遇は過酷でした.

夏でも氷点下と言われるほどの厳寒の中,碌に暖房もつけられず,食事も与えられないのに石炭採掘や伐採などの重労働を課せられました.

そして,そうした人々に監視のソ連兵が強く命じたのが「ノルマを守れ」という指示でした.

そう,これが「半ば強制的な労働の基準」としての「ノルマ」という言葉が日本人と接触したタイミングだったのです.

その後,多くの日本人がシベリアで命を落としましたが,一部の日本人は何とか日本へ帰ることが出来,「ノルマ」という言葉を伝えたのです.

最後に

よく聞く「ノルマ」という言葉が実はかなり重い由来を持っていると知ると,なかなか恐ろしいですね.

こんな由来を知ると,この言葉をこの先あまり使えなくなりそうです…



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