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「八百屋」の由来~どうして「やおや」と言うの?

      2016/03/20

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小学校では「難しい読みの漢字」として「八百屋」は誰もが習うので,誰もがその存在は知っています.しかし,その「由来」となるとどうでしょう?

どうして「野菜や果物を売るお店」のことを「八百屋」と呼ぶのでしょうか? 「八」にも「百」にも,「果物・野菜」なんて意味はなさそうなのに…

そんな疑問にお答えするために,今回は「八百屋」の由来について語っていこうと思います!

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「やおや」はもともと「あおや」だった!?

「八百」には「野菜や果物」などという意味はありませんが,そのような意味を持った単語はきちんと日本語にあります.それは「青物(あおもの)」ですね.

「青物」は室町時代初期,宮中や院に仕える女性の使用人が使い始めた言葉とされています.(このような言葉を「女房言葉」といいます.)
使用人たちは菜物をその色から「青物」と呼びましたが,その言葉が一般に広まり,「野菜」=「青物」となりました.

そうした経緯から,人々は野菜を販売するお店を「青物屋」と呼ぶようになりました.やがて「青物屋(あおものや)」は縮められ「青屋(あおや)」と呼ばれるようになりました.そう,今の「やおや」はもともと「あおや」と呼ばれていたのです.

「あおや」から「やおや」へ

「あおや」が「やおや」に変化したのは江戸時代のことだと言われています.

そして,実はこの「あおや」から「やおや」へと変化した理由としてはいくつかの説があるのです.
ここでは,比較的有名な二つをご紹介しましょう.

説1:単に発音しやすいから「やおや」になった

これは説明すら不要と思われる説ですが,一応.

発音のしやすさから言葉が訛ることはままあることです.そして,この説では「やおや」もそうした訛りの結果だという説です.

説2:藍染業者と間違われないように

実は「青屋」にはもう一つ,「藍染め(あいぞめ)業者」という意味もありました.

つまり,「藍染め業者」と間違われないために,わざと「あおや」を「やおや」と呼ぶことにした説ですね.

現在は「職業に貴賤はない」という考え方はある程度定着しています.しかし,江戸時代はかなり職業差別が激しく,「藍染め業者」は賤しい職業とされていたそうです.ここからは私の想像ですが,こうした被差別的な仕事と混同されるのを防ぐために,わざと「あおや」を「やおや」と呼ぶようにしたのかもしれませんね.

やおやに「八百屋」の字をあてた意味

「八百」は「嘘八百」や「八百万の神」などにも用いるように「数が非常に多い」ことを表します

つまり,読みが「やおや」で扱う商品も多かったことから,「やおや」に「八百屋」という文字をあてたのだと,現在は考えられているようです.

最後に

最近のスーパーマーケットの台頭の為,街中で「八百屋さん」を見かけることは少なくなり,あまりなじみ深いものでもなくなってきましたが,ほんの20年ほど前は,まだ八百屋は商店街の一角でにぎわっていました.一昔前のことではありますが,日常を構成するちょっとしたお店の名前でも,ルーツは室町時代にまで遡れたりして,面白いですね!

身の回りのことでも,起源や由来を知らないものがまだまだあるかもしれません.せっかくなので,ちょっと調べたりしてみませんか?



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