「段ボール」の由来 ― 起源はシルクハット!?
2016/03/22
もうすぐ3月も終わり! 4月からは新しい年度が始まり,引っ越しを伴う新しい生活が始まるという方もいらっしゃるかもしれません.
引っ越しといえば「段ボール箱」ですが,引っ越しに限らず,段ボールはあらゆる場面で利用されていますね.
今回はその非常に汎用性の高い「段ボール」はいつ発明されて,なぜ「段ボール」と名付けられたのかをご説明しようと思います.
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「段ボール」の由来
今はもっぱら物を詰めるのに使われる段ボールですが,その起源は「梱包用素材」からは程遠いものでした.
段ボールの歴史 ~ もともと段ボールは帽子だった!?
段ボールは1856年イギリスで,エドワード・チャールズ・ヒーレイとエドワード・エリス・アレンの2名により発明されたといわれています.
発明された段ボールは,当初,箱に加工されることはなくもっぱら「シルクハット」の内側の素材として用いられました.
シルクハットというのは,次の写真のおじいさんがかぶっているものですが,この帽子,かぶり続けてると汗が中にたまり蒸れてしまうのです.
そこで,紙を波々にして湿気を吸いやすくしたものを,シルクハットの内側に貼り付けたのです.これが,段ボール発明の歴史と最初の使用法だったのです.
(つまりこの地点では,段ボールはただの波々の紙に過ぎなかったわけです.)
その後,ビン類をくるむ梱包材として活用されるようになり,やがて波々の紙では心もとないので,波々の紙にさらに平たい紙を貼り付けて強度を持たせるようになりました.そうしてできたものが,現在のように箱状に加工されるようになったわけですね.
日本では明治時代,井上貞治郎という人が初めてこの紙製品を製造するようになり,「段ボール」と名付けました.
つまり,段ボールは日本で作られ始めてまだ100年程度しか経っていない,非常に新しい素材なのです.
段ボールの語源
さて,段ボールという名称は井上貞治郎という人がつけたと書きました.
どうして彼はこのような名称を付けたのでしょうか?
実は答えは非常に簡単なものです.
段ボールの「段」は紙を重ね合わせて作っていることからついた名称であり,「ボール」は「ボール紙」のボールなのです.
ボール紙は,英語の「板(board)」が訛ってできた言葉であり,藁パルプで作った厚手の紙のことを言います.(本の表紙などにも使われていますね)
つまり,「段ボール」は「厚手の紙を積み重ねて作ったもの」という意味だったわけです!
最後に
一人暮らしのものぐさ男の家には必ずと言っていいほど(?)つみあがってたりする段ボール箱.
かくいう私の家も… いや,この話はやめておきましょう(笑)
皆さんのご家庭にも多分段ボール箱の一つや二つ,あることでしょう.身近なものにも意外と面白い由来があるものですね!