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八十八夜とは? 2016年はいつ?

      2016/04/01

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「♪夏も近づく八十八夜~」の出だしで始まる文部省唱歌「茶摘み」でも歌われる「八十八夜」.

今年2016年の八十八夜は5月1日となっています. しかし,5月1日は1月1日から数えると122日目となり,全く「88要素」がありません

いったいなぜ八十八夜と呼ぶのでしょうか? そして何のために八十八夜は設定されたのでしょうか?

今回は八十八夜の意味とその由来に迫ろうと思います.

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八十八夜の由来

立春から数えて88日目!

実は,八十八夜は1月1日から数えたものではなく,立春から数えたものです.

「立春」は以前「清明の由来」の記事でご紹介しました通り,二十四節気の一つです.簡単に説明しますと,「立春」はいわゆる「冬至」と「春分の日」のちょうど真ん中にある日で,寒さの頂点を迎えたのち暖かくなり始める頃になります.(つまり,「立春」の頃が一番寒い!

今年の「立春」は2月4日ですので,2月4日から数えて88日目の5月1日が今年の八十八夜となります.

八十八夜の意味って何?

さて,どうして立春から88日目をわざわざ「八十八夜」と呼んで他の日と区別するのでしょうか?

生活面から見た意味としては,八十八夜付近がちょうど,春から夏へと移る時期であることから,夏を迎える準備をするという意味がありました.

夏を迎える前に行う農作業なども,この日を目安に行ったとされています.

しかし,なぜ88日目である必要があったのでしょうか? 88なんてキリの悪い数字を使わず,いっそ90日にしてしまえばよかったのに,とか思ってしまいますよね.

 

これは,かつての日本の暦が「太陰暦」であったことに起因します.

つまり,人々は月の満ち欠けを見て,カレンダーを作っていたわけです.月の満ち欠けの周期は29.5日(つまり,一度満月が訪れると,次に満月が来るのは29日後)ですが,人々はこの月の満ち欠けの1周期を「1か月」として扱っていました.

これに基づくと,3か月分の長さは 29.5×3=88.5 [日]となります.つまり八十八夜は,実は「立春からちょうど3か月後」という非常にキリの良い日だったのです.

また,八十八の漢字を組み合わせたら「米」になることも,広く用いられた理由の一つです. 昔の日本では「米」は農作業の中心,ひいては生活の中心にあったものなので,それだけ神聖視されていました.

八十八夜は,かつて月の観察で求めることが出来た「キリの良い日であった」こと,「組み合わせて米になる」という特徴と,「ちょうど春から夏への移り変わりの時期」というタイミングから,盛んに用いられるようになった節目の日だったのです.

 

なんで八十八「夜」なの? 八十八「朝」ではダメなの?

じつはここまでのお話で,この「なぜ88番目の『夜』」でないといけないのか,という問題の答えは出ています.

そう,太陰暦ですね. つまり,人々は『月の満ち欠け周期』を見てカレンダーを作っていたため,「朝」ではなく「夜」を基準としたのです.

最後に

冒頭でも書きました通り,1月1日から数えると5月1日は122日目に当たり,ちょうど1年の1/3が終わる日に相当します.(今年は閏年なので本当にちょうどですね!)

1年の1/3が終わる八十八夜までに,1年でやるべきことの1/3を終わらせることが出来ればよいのですが…

温かいお茶でも飲みながらコツコツやっていくことにします(笑



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